帝京大から中部大春日丘高へ。ラグビー強豪校に広がる“脱・体育会”の流れ
愛知の雄・春日丘高校の取り組み。すべての学生スポーツチームが見るべき姿勢
■キーポジションに3人の1年生。悔しい敗戦。それでも…
2010年度に花園初出場。以後、2018年度までに花園出場を逃したのは2012年度のみ。愛知で王者に君臨する姿は、2017年度まで大学選手権を9連覇した帝京大と重なる。
2018年度の花園で、Bシードの春日丘は2回戦で札幌山の手(南北海道)を48-17で下し、3回戦に進出した。
しかし1月1日の3回戦で、天理(奈良)の好守に阻まれ10-21で敗戦。
この試合で春日丘はNO8(ナンバーエイト)、SO(スタンドオフ)、FB(フルバック)というキーポジションに3人の1年生を先発させた。
花園第1グラウンドの緊張感、天理の激しいディフェンス……。さまざまなプレッシャーの中で、1年生は本来の実力を発揮できなかった。
春日丘のキャプテンを務めたSH(スクラムハーフ)の岡本泰斉は「8、10、15が若い1年生でしたが、3年生がカバーできず申し訳なかったです。第1グラウンドのプレッシャーを伝えてきたつもりだったのですが……。力不足です」と殊勝に振り返った。
1年生が活躍できなかったのは、サポートできなかった3年生の力不足が原因――上級生が下級生をサポートする、春日丘ならではのコメントだった。試合には敗れた。しかし中部大春日丘の誇るべきチーム文化は、敗れても威厳を放っていた。
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